こんなこと、したって意味ないってわかってた。 卑怯者だって、思うかな。 ……俺と蘭の唇まで、あと、4cm。 「佐野」 ……あーあ。ずるいな、蘭は。 俺はいつまでたっても、佐野を超えらんないんだな。 追いかけてきた佐野を見て、微笑んだ蘭は、いままでで最高に綺麗だった。