「悠大君は空みたいだね!!」

「え??空??」

悠大君はハテナを浮かばせる。

「うん、空。なんかねー前向きなところとかー、気配りが出来るところとかー心が綺麗なところ!!」

「ははっ、それと空に何が関係あるの??」

「えっとね、空ってさ、雲があってその雲は同じ方向にずっと進んで行くじゃん??決して戻らないの。それが前向きなところ」

「へー、まあ確かに。でもだったら雲でいいじゃん」

「雲じゃ違うのー」

「え、なにが??」

「雲じゃ小さいの!!雲の中空なのー」

「なんじゃそりゃ」

あまり説得力ないか。

「じゃあ、気配りが出来るってのは分かるでしょ??空は広いんだから!!でねっ、色んなところが見れるの!!それでー…」

私が一人で盛り上がる。

悠大君は暖かい目で私を見て微笑む。

私の話なんか面白くもないと思うのに、

つまらないと思うのに

悠大君はつまらない、なんか一言も言わず

ただ私の話を聞いてくれたんだ。

「栞奈ちゃんって面白いね」

「へつ??」

「不思議な事ばっかり思いつく」

「それって変な事って意味ー??」

私はぶーっと、口を尖らせ悠大君を見る。

「違うよ。でも俺、こんな子に関わったの初めて」

「えっ…」

「色々、元気でた」

「…そっ、か」

もうすぐ学校に着く。

「そうだねー、俺が空なら栞奈ちゃんは太陽かな」

「太陽かぁー」

私が太陽…そんなに私は大きくないのにな。

「そ。みんなを照らして明るくする元気な太陽」

「…」

「それでいつも俺は照らされるんだ」

そう、悠大君は空を見て言った。