「悠大君、先教室戻ってて??」

「え??」

私は悠大君に言う。

「トイレ行ってくるね」

「うん分かった」

トイレの前で悠大君とバイバイした。

その瞬間、

トイレで待ち伏せしていたかのように囲まれた私だった。

またか…

「今度は悠大君に手を付けたの??なんて子」

今日はなぜか三人だった。

確かもう一人いたはず。

「でもまあ、基羅君の件は効いたみたいね。マミ、やっと基羅君と付き合えたみたいて喜んでたもん。もう、基羅君には近づかないでよね」

「…」

そうか、

この四人組のグループのリーダー的存在の人。

それが今本田君と付き合ってる花野マミ。

だから今日はいないのか。

「なんとかいいなさいよ」

「あの、
あなた達は何がしたいんですか??それで私を怖がらせてる??脅してる??」

私ははっきり言ってあげた。

ムカつく。

「はっ、何言ってんのよ」

「私は別にあなた達に本田君をあげたとか、そんなんじゃ全くないから。大体本田君はものじゃない。人の心をそうやって簡単に…」

「うざいんだよ!!」

ドン!!

…っ、

「…」

私は壁に思いっきり押された。

女子の力じゃないよこれ…。

今まであったことのない衝撃。

「とにかく、」

私は言葉を続ける。

「まだなにか言う気」

私を睨みつけてくる三人。

そんなのどうだっていい。

「本田君がどう思ってるか知らないけど、悠大君は違うから。絶対にあなた達のところには行かない。そう思い通りに行くなんて思ったら大間違い」

私はそれだけ言ってトイレから出た。