帰り道。

「わざわざ送ってくれてありがとね」

私は悠大君にお礼を言う。

本当にわざわざだ。

駅は私の次の駅。

私の駅で降りてくれたんだ。

「いや、いいよ。付き合ってもらったのはこっちだし」

「そんなことないよっ」

「…栞奈ちゃん毎日朝ひとり??」

「あ、うん」

なんか悲しい人みたい。

友達がいない、みたいな。

「だったら俺と一緒に行こうか」

「え??」

「うん、じゃあ決まり。明日迎えに行くよ」

「えっ、そこまで??」

「うん。だから待っててね」

「ありが、と」

明日から悠大君と登校かぁ。

なんだか朝から楽しそう。

って、

そんな話をしていたらあっという間に家に着く。

「私ここだから。今日は本当にありがとう」

「いいよ。また明日ね」

「うんっ、明日ね」

私は悠大君とバイバイする。