それから毎日、放課後は悠大君と一緒に帰った。

初めは苦手だった。

無口だし、良く分からなかった。

けど今は違う。

慣れたら話も盛り上がるし、一緒にいてすごく楽しい。

頼りもあって、優しいし。

あんな…強引じゃないし…

「栞奈ちゃん今から時間ある??」

「うんっ、あるよ??」

「じゃあ今からご飯でも行こう」

「えっいいの??」

嬉しい。

悠大君から誘ってくれるなんて。

「うん」

「やったぁ、行くー!!」

それから話し合った結果、パスタのお店に行くことした。

「めっちゃオシャレ!!」

私はつい叫んでしまった。

「栞奈ちゃんが好きそうな所だね」

「へー、??」

興奮して話を聞いていなかった。

悠大君は私を見て笑う。

あ、恥ずかしいよね、こんな私と一緒にいて。

「ごめんね」

席について改める。

「ん??」

「私と一緒いて恥ずかしいよね…」

「そんなことないよ」

「ごめんなさい、です」

「むしろ一緒にいて楽しいくらいだよ」

「そう、かな…」

「うん。まぁそんなこと考えなくていいよ、食べよう」

「うんっ!!」

悠大君は本当に優しい。

なにしろ女の子の気持ちが分かってる。

「美味しいねっ」

「…だね」

そこで食べたパスタはとっても美味しかった。

私が頼んだのはほうれん草にクリームシチューがかかったみたいのパスタ。

悠大君が頼んだのはナスビが沢山入ったトマトソースのパスタ。

「ねえねえ、デザートも食べていっ??」

「ははっ、いいよ」

このお店は特別美味しかった訳じゃない。

特別な材料や調味料なんか使っていないんだ。

ただ、悠大君とここに来て、一緒に食べて…。

「美味しいねっ」

て。

だからかな。

楽しい。

なんか私変だ。

この人の笑顔をずっと見ていたいなんて思ってる。