体操服の白いポロシャツと、紺色の下ジャージ。

このクソ熱いってのに、よくジャージなんか着てられるなお前…。


「美佐、暑い…」
「もー、遅くなるなら電話ちょうだいよ電話!!メールでもいいけど!」


しかも聞いて無いね。
まあいつものことだけど…

ふくれる美佐。
俺は苦笑するしかなかった。

ふくれたいのはこっちです。




そんな俺たち2人に、校庭の端の方から大声がかかる。


「こらあ、渡里ー!!勝手に列をぬけるなー!!」


あ、女子の体育って吉野なんだ。今日まで知らなかった。


「ほら、せんせーが呼んでる。行けよ、な?」
「もー!!吉野っちちょっと察してほしいよおー…じゃあ、あとでね!ちとせ、どこ居とくの?男子は体育館だけど」
「んー、まあ、適当に…」
「そ。じゃあ、ね!」


もう一度大きな声で呼ばれて、美佐は戻って行った。

俺は数秒間ぼーっと突っ立って、美佐の背中を見送り、それからだるいとわめく足を動かし、校舎の方へ歩いた。



葵、普段俺がいない時間何やってんのかな…

今度からアイツはこれないから、…さっちゃんにでもたまに様子見に行ってもらうよう頼もうかな。