「好きだよ、ずっと、君だけが。」
「私も、ずっとあなただけが―――――
ブツン。
「あっ。」
うっかり電源を切ってしまった。
だってあの女の子、さっきまで違う男と一緒にいたじゃないか、なんていちいちドラマで気にしていたらキリがないんだろう。
今、人気の恋愛シミュレーションゲームを題材としたそのドラマは大人気で爆発的な視聴率をたたき出しているらしい。
確かに、何人ものイケメンたちが恋する姿には女として魅力を感じる、けど。
同時にそのイケメンたち全員をとりこにしてしまうその姿に「彼女」を重ねずにはいられなくてついイライラとしてしまう。
これはきっと一般的に見ればただの嫉妬でみにくいのはわたしなんだろう。
でも、何もしなくとも人を惹きつけるその姿を、だれだって羨ましく思うんじゃないかって思うんだけど。
がさがさと漁っていたお菓子の袋がカラだと分かって、溜息をつきながらその袋をぐしゃぐしゃとまるめる。
電源の切れた黒いテレビ画面にうつる自分の姿。
ねぇ?私ってそんなにダメですか?
みよんと頬をひっぱってみれば画面にうつる女の子は痛そうにちょっぴり顔をゆがめた。