「わぁ〜、まぁた始まった。 紗桜さんと麻央ちゃんの言い争い?」

「懲りないね〜」



なんて、クラスメイトに言われる始末。


確かに、いっつもあたしが紗桜に意地悪言われてそれを真に受けたあたしが言い返してるけど……。


なんだかクラスメイトの中では恒例になっちゃってるみたい。


それはなんだか嬉しくないなぁ……。


 そして紗桜とぎゃあぎゃあ騒いでいると、担任の先生が教室に入ってきて、注意されてしまった。


 二人で謝りながら、席につく。


先生も、「またお前らか?」って苦笑気味。


ああ、先生にまで言われるとは……。


けれど。


 こんな風に騒いでいる時間が、あたしは好きだ。


 小説を読むことも好きだけど、紗桜とおしゃべりすることも楽しい。


授業をやって、ご飯を食べて……。


 そうして、いつもと変わらぬ日を過ごした。



 



 この後、あたしの生活は180度変わってしまうことなんて、思いもせずに。