「ふー、さっぱりしたぁ」



 お風呂を出たクレアは、長い髪の水滴をタオルで丁寧に拭き取った。


 そして、魔方陣を出すと、そこから温かい風を出す。


 風で髪を乾かしはじめた。


 なるほど!


 頭いいね、クレア!


 でも、あたしはそんなに長くないしなぁ……。


 しいていえば、この天パが直ってくれ!


 雨の日とか、くるんくるんになっちゃって、いっつも困るんだもん!


 外はまだ明るくて、厨房の使用人たちが忙しく働きはじめた。


 クレアと別れを告げ、あたしは部屋に戻った。


 その頃には、髪は夏の暑さと熱風により、完璧に乾いていた。