「ふー……」



 髪などを洗い、さっぱりしたあたしたちは、大きすぎる浴槽に身を沈めた。


 ちょうどいい湯加減。


 しかも、薔薇の花びらが浮いていて、その横には琥珀色の冷たい飲み物がおいてある。


 そちらに人差し指を向けて、くいと動かすと、グラスはふわりと宙に浮いて、あたしの手の中におさまった。


 ひとつをクレアに渡し、あたしもグラスに口をつける。


優しい甘さが口の中に広がった。


 ん! 


 これは、あたしの大好きなやつじゃない!


 いっつもクコに入れてもらってるやつ!