それにしても、このオスガリアの男は、本当に兵士なのか?


 戦場に立つ兵士なら、あの程度では怯えないし、あんなに剣が下手なわけない。


 そして、あの男の、怯えたような瞳。


 俺を刺したと思い込んだ瞬間、なぜだか安心したような顔を見せた。


 まさか……あいつは、ただの国民では?


そういえば、先ほどまだ若い青年の兵士を見かけた。


まだ成人を迎えていなさそうな男だ。


 兵力を増やすために、徴兵しているのか、オスガリアは!


 だとしたら、なんの関係もなく、ただ殺されないために国王に従っていたということか!


 オスガリアは……ひどい国だ。


 罪のない人を、こんなふうに巻き込んでいる。


 許せない。