「じゃ、ま、とりあえず、乾杯。お疲れ様。」



二人で無言で生ビールを喉に押し込んだ。



「適当に盛り合わせ頼むか。」


そう言いながら、川崎充は店員を呼びテキパキと注文し始めた。


「今日、仕上げてくれて助かったよ。急遽明日、クライアントが来る事になったからさ。」


川崎充は、バツが悪そうに説明してきた。


「そうだったんですか。まぁ私は他の人と違って家で待ってる人もいませんから。お役に立てて光栄です。」



自虐した訳ではないのだが、結果的にそうなってしまった……。


「はは、待ってる人が居ないのは、俺も同じ。」


川崎充も悪戯っ子の様な顔で笑っていた。