「でね、って先輩ちゃんと聞いてます?」



私はランチのパスタを巻きながら、綾香の話を聞いていた。



「しかし、良くあの唐変木と食事行く気がするね。」



サラダのトマトが酸っぱい。



「そりゃぁ、先輩には唐変木にしか見えないかもしれないけど、私、絶対落とします!」




私は更に酸っぱい顔をした。







唐変木とは、同じコーヒースクールに通う都内の、とある美容室のオーナーである、草加 正憲 35歳。


イケメン長身が故に綾香にターゲットにされている。



綾香が通って来る前に、他の女性との噂は多数あり、私はあまり、彼を信用してない。