雅ちゃん……。



最近母親に位しか、呼ばれないなぁ。



「大丈夫ですよ。残り物には福がある、って言うしね。」



私は二杯目のビールを飲み干した。



「そろそろ出ようか。」



タイミングを見計らった様に、川崎充が煙草をしまいながら言った。



「そうですね。明日も早いし。」



そう言うと、川崎充はさっさと会計を済ませた。


「いくらでした?」


財布を片手に、店を出た。



「たまには部下におごらせろよ。今日コーヒースクール行けなかった、お詫び兼ねて。」




また悪戯っ子の様な笑顔で言った。



「え、あ、ありがとうございます。ご馳走様でした。」


私はお礼を言いながら、頭を下げた。




「どーいたしまして。」



川崎充はそう言うと、駅の方に歩き始めた。