今朝一番に「迷惑かけて悪かった」と謝られた。

 すでに引け目を感じていたのだろう。

 私は全然気にしていないのに……。


 でも、そんなこと言ったって慰めにすらならなくて、力になれないことが悲しかった。



「もう、よしたらどうだ」



 私たちの間に割って入った若葉くんが、真っ直ぐに城ヶ崎と対峙する。



「お前にも関係はないはずだが」


「確かに関係はない。だが彼女が泣きそうになっているところを、黙って見過ごすことはできない。

 もしこのまま郁人くんを傷つけて彼女を泣かせたら、俺はお前を許さない」



 真剣な言葉は、私だけでなく、言外に郁人くんをも守るものだった。