「いやー今日もカワイかったなぁセラちゃん! あの鬼師範に打ち込んでくところがひたむきでよかった。なぁ和久井!」


「え? あ、ああ……」


「もう、照れんなって!」



 放課後、たまたま朝桐くんたちと一緒になって昇降口を出た。


 朝桐くんにイジられる和久井くん。

 面白そうに眺め、一向に助けようとはしない日野くん。

 そして私と、盛大なため息をつく城ヶ崎(じょうがさき)、計5人での下校となる。



「剣道をしていて、可愛いはない……かな?」



 褒めてくれるのは嬉しいけど、私としてはまだまだな自分が思い出されて、素直に喜べないといいますか。