「……俺、本当に独りになっちまったよ。どうすればいい……? 教えてくれよ、セラ…………」



 すがる言葉は、私の胸を鋭く貫いた。


 あんなに素っ気なくて取りつく島もなかった少年は、今、母の死に涙を流している。


 何もかもを自分でしようとしていたのは、お母さんに迷惑をかけないように過ごしていた生活の名残なのかもしれない……そう思うと、耐えられなくて。


 気づいたときには、勝手に動いた腕がガシッと郁人くんを受け止めていた。



「……え……」


「よっ、よく我慢したねっ!」


「……なんでアンタが泣いてるの」


「だって郁人くん、すごく頑張ってるんだもん! それ見てたら、なんか急にっ!」


「……同情ならいらない」


「なんでそんなこと言うの!? ふっ、ふえええー!」


「っ! おい……!」


「しっかり者どころじゃないよ、お父さ――――ん!!」