「――そっか、わかった。謝らなくてもいいよ。ありがと叔母さん。……おやすみ」



 努めて優しく言い、通話を切った。

 暗い部屋の壁をじっと見つめる。


 ……薄々、予感していたことだった。

 覚悟はできていたはずだった。


 けれどいざとなってみれば、心にポッカリと穴が開いてしまった。


 どうすればよいのだろう?

 どうしたら?

 ……わからない。


 こんなとき、自然とアイツの顔が浮かんだ。


 ……アイツならこういうとき、どうしたらいいか教えてくれるかな。


 そう思ったら、そうとしか考える余裕がなくて、わけもわからないまま立ち上がった。