(納得いかない……!)



 屋上の入口上方にある、給水タンクの横。

 そこに座り込んで動かない。

 頬をふくらませているわけは、若葉くんがお昼の約束に10分遅れて来たから……ではないと思う。


 ……若葉くんがみんなと打ち解けられますようにって望んでたのは私。

 だけど……。



「さっきから全然食べてないね。具合悪いの?」


「そういうことじゃない、けど……」


「けど?」



 素顔を知った瞬間、今までのことは棚に上げ、目の色を変えて若葉くんを引き留める女子が、私には無責任に思えて仕方なかった。


 若葉くんが優しくて、カッコよくて、頼りになるってこと、私はずーっと前から知ってたんだから……!