今日もいい天気だなぁ、と朝焼けを眺めていたときのことです。



「セラちゃん、おはよう」


「うん、おはよう。若葉く……」



 窓ガラスから顔を戻して、硬直する。

 そこにはいつもの笑顔があるわけだけど、もうひとつあるべきものがなかった。



「ごめんちょっと来てくれるかな若葉くんっ!」



 私は若葉くんの腕を掴み、言いっぱなしで教室を飛び出した。