「……なんつー薄着してやがる……」


「あっ、ごめーん。今起きたばっかなの」



 化け猫はわざとらしくキャミソールの裾を整え直した。

 その割に、バッチリ化粧は済んでいるようだが。



「もう夕方だっつーの」


「えー、仕方ないじゃん。お店夜からなんだも~ん」


「おい、くっつくんじゃねぇ」


「そういうつれないトコロ、あたし好きよ♪」


「――離せ」



 さすがに我慢の限界で、睨みをひとつ。

 すると化け猫はあっさり腕を解いた。