「今の女の子とをお母さん、私たちがここに来たときもいたでしょ。そのときはさっきの女の子たちみたいな反応をしたの。
だけど私と郁人くんがキャッチボールしてるの見て、知ってくれたんだよ。どこにでもいるお姉ちゃんとお兄ちゃんなんだって」
郁人くんが大きく瞳を見開いた。
驚き。ただそれだけに彼の瞳は染まる。
「郁人くん、私に聞いたよね。『裏切られるかもしれないのに、どうして人と関わることをやめないのか』って。
人の顔色をうかがう人もいるかもしれないけど、ずっとそのままなわけじゃない。
ちゃんと知ってもらえたらきっと仲良くなれるんだって、私は信じてるから。――これで、答えになる?」