「ありがとうございます。ほら、みかちゃんもお姉ちゃんにありがとうって」


「うん! お姉ちゃん、ありがとう!」


「ふふっ、どういたしまして。また元気に遊んでね」


「うんっ!」



 手を振りながら歩き出す女の子を、笑顔で見送った。



「わかる? 郁人くん」



 声をかけると、郁人くんが我に返ったように身じろぐ。



「最初は、誰だって外見で判断するよ。でもそれは、その人のことを知らないからなんだよ。

 時間が経って、少しずつその人のことを知って、初めてその人と仲良くなれるの」


「人を、知る?」