「……どうして私、怒られてるのかしら。もしかして、手料理がまずいからイラついちゃったとか……?」



 あ、それはないか。

 今まで自分の分は自分で作ってたみたいだし。


 詳細を聞こうにも見ての有様。

 このまま言われた通りにすれば機嫌は損ねないだろうけど、それは無理というもの。


「関わるな」――と、ただでさえ言ってはいけないことを、彼は口にしたのだ。



「待ってなさい郁人くん。思い通りになるとでも思ったら、大間違いよ!」



 嬉しいことに、今日の空も蒼く澄んでいる。

 そうと決まれば、早速行動に移るのみだ。