そろそろ、お別れの時間が訪れようとしています。


 言いたいこと、特に感謝の気持ちは、何千回、何万回口にしても足りないほどです。


 その上で我が命が尽きようとしていることもまた、天命なのでしょう。


 ならば私は、それに従うことにします。



 けれど、たとえ姿形がなくなろうとも、私はあなた方と共にあります。


 あなた方が覚えていてくれる限り、私の存在が消えることは決してありません。


 一緒に笑った、泣いた、怒った、楽しんだ、そんな日々と共に、胸に秘めておいてください。



 短い命でしたが、私は自分が不幸だったなどとは微塵も思っていません。


 むしろ幸せ者です。


 優しい家族に囲まれて暮らすことができた、世界で一番の幸せ者です。


 今このときも、胸に湧き上がる感情は悲しみではありません。


 本当に楽しかった。幸せだった。


 いえ、今も幸せなのです。