私たちは今も、大切なことを隠して生活しています。


 けれどいつか、真実を明かさねばならない日がやってくるはずです。


 そのとき、私はおそらくこの地にはいないでしょう。


 本当ならば、今すぐにでも真実をあの子たちに話して、本当の家族全員で暮らしたい。


 ですが、あの子たちの身を思えば叶わぬことも存じております。


 これほど、自分の生まれを恨んだことはありませんでした。



 それでも、あなたと出会うことができて本当によかったと思っています。


 この私がふたりもの赤ちゃんを授かることができたのは、奇跡に等しいことです。


 あなたと、隼斗と、郁人と過ごした日々は、私にとって揺るぎない、かけがえのないものでした。


 何のこともない日常の風景も、私たちにとっては大きな冒険でした。


 それを乗り越えてこられたのは、あなたからもらった勇気のおかげです。