何、何! 何――――っ!



 家に急きょ避難した私を襲ったのは、とてつもない大火事!!


 顔が尋常じゃないくらい熱い!


 ちなみに来る途中ぶつけたところも痛い!



「もうヤダよ――――――っ!」



 何であんなことするの若葉くん!


 わけわかんない! 殺す気!?


 昔はあんなことしなかったのに!



 ……と、ここでふと気づく。



「昔は……か」



 ……私は、ソウくんしか知らない。


 聡士くんという男の子を、知らない。


 そう、まるで知らない人のように見えるから、わからなくなるのだ、何もかもが。



 この頬の熱は、頭の熱は、私に何を訴えているの……?