「だーかーら、お前近すぎんだって! もうちょっとあっち行け!」
「無理だ。これ以上行けば池に落ちる」
「あのさぁ、こっちだってギリギリなんだから、文句言わないでくれる?」
「だけどな日野! この間せっかく大活躍したんだから、少しくらい良い目見たって……」
青空の澄み渡った昼下がり、私たち5人は肩を並べて歩いていた。とっても賑やかだったんだけど……。
「お前ら3人近すぎる。散れ」
「「「……………はい」」」
若葉くんの言葉を受け、3人は私からすこーしだけ距離を取る。
「ぎゃあぎゃあ騒がしいな……」
そこへ聞こえた嘆息。
校門のそば近くで、呆れたように壁へもたれかかった青年の姿を見つけた。