「……ユニークな刑事さんですね」
「いいですよ八神さん、気を遣わなくても」
バッサリと斬り捨てる辺り、手馴れている。
日常茶飯事なのだろう……。
「八神さんは、今からどうなさるんですか?」
若葉くんの問いに、八神さんは少し考え込む。
「せっかくの感動に浸りたいんですが……参考人として明日からお呼びがかかるかもしれませんし、溜まっている仕事をしないと」
「仕事?」
「霧島ハツネさん……彩子さんのお母様の往診です」
やわらかく微笑んで、八神さんは家の中へと入っていく。
隼斗と郁人くんが顔を見合わせ、その後に続く。
私と若葉くんが思っていることも、同じだった。