「野郎っ……郁人を人質にする気か!!」



 顔を真っ赤に上気させた隼斗だが、宗雄さんの手に鈍く光るものを見つけると、血相を変える。



「待て……っ!」


「知るか!! これ以上はなりふり構ってられん!!」



 隼斗が駆けつけるより先に、郁人くんへ迫る宗雄さん……



「――おやめなさい」



 それよりも先に、郁人くんの前に立ちはだかる人影。


 彼は手首の動きひとつで宗雄さんの進行軌道を逸らし、体勢を崩したその腕を捻り上げた。



「武道の心得を持つものが、彼らだけではないとおわかりのはずでは?」



 宗雄さんを捕縛していたのは、八神さん。