「どうした犬野郎? ただの人間と比べて大したことねぇみたいだが?」
「ふ…………全力の10分の1だからだ!」
若葉くんの口端が上がったのを合図に、2人は走り出す。
「はあああっ!」
「おおおっ!」
凄まじくも華麗な竹刀さばきは、次々と男たちをなぎ倒していく。
決定的な瞬間が訪れるのは、すぐのことだった。
「城ヶ崎サン! もう限界だ! 人が残っちゃいね……ぐっ!!」
男たちをまとめていたリーダーが、隼斗にフッ飛ばされる。
宗雄さんが我に返ったときには、男はすでに畳の上。
「く……そぉっ!! どけぇっ! 小娘ッ!!」
「きゃっ!?」
がむしゃらに向かってきた彼は私を突き飛ばし……その先の郁人くんへと突進する。