「……なぁおい、和久井……」
「ああ、もう思う存分やっていいぞ朝桐!」
「よし来た、任せろ――――っ!!」
朝桐くんを筆頭に、集団の中に突っ込んでいく3人。
「大丈夫。絶対に守るから」
私の前に立った若葉くんは、郁人くんを背に庇った隼斗へ何かを投げ渡す。
……隼斗の竹刀だ!
「今までサボってたから、怖気づいたとか言わないよな?」
「まさか。俺が何のために剣道始めたと思ってやがる」
鼻を鳴らした隼斗は、向かってくる男を真っ直ぐに捉え、
「家族を守るためだ!!」
若葉くんが笑った瞬間、ふたつの嵐が吹きすさんだ。