「おりゃあああっっ!!!」



 ゴンッ!! と凄まじい音と共に、吹っ飛ぶ宗雄さん。


 誰もが唖然とする。


 宗雄さんの横っ面を直撃したのは、なんと郁人くんの右ストレートだったのだ。



「黙ってればひ弱だのなんだの好き放題言いやがって……チビと女顔気にしてる俺への当て付けか! コンプレックス増やして地味に嫌がらせか、ふざけんな! 俺だって喧嘩くらいやってやる!!」



 矢継ぎ早にまくし立てた郁人くんは、きびすを返し颯爽と戻ってくる。



「おいっ、クソ兄貴!」



 その足で隼斗に向かって行ったかと思うと……。



「ふざけてんじゃねぇぞこの馬鹿――ッ!」



 その右ストレートが、今度は隼斗を襲った。


 直撃を食らった隼斗が、畳に叩きつけられる。