「おお、やれば出来るじゃないか朝桐!」
「よっし、そのまま世の中のモテないダメ男たちの鬱憤を代わりにぶつけてやれ!」
「うおおおおおっ!! モテたぁああああいっっ!!!」
ゴッ! ガッ! バコッ!!
信じられないほど、次々に男たちが宙を舞った。
「……聡士くん」
「言われた通り、おじいさんとおばあさんを避難させました。
ついでにここに来るまでの間にいたヤツら、全員ブッ殺……コホン、ちょっと夢の世界にお連れしてきましたから」
「君は本当に……すごいですね」
「全員……? まさか、あの人数をか? ざっと20人はいたはずだぞ! それがただの高校生のガキごときに……」
「ただの、それが命取りだったな。俺は『壬生狼』――猛る獣、狼の血を引いた俺が、そうやすやすと人間風情にやられるものか」
「狼の血を引いた!? それはどういう……」
錯乱する宗雄さん。
それも仕方ない。未知との遭遇だ。