「ぐぁあっ……!」
耳をふさいでしまいたかった……けれど。
呻き声は八神さんたちのじゃ、ない……?
「どきやがれオッサン! でもってセラちゃんたち出せコラァ!」
聞き覚えのある声がした。
そろそろとまぶたを開き、驚愕する。
「朝桐……くん?」
「無事か、紅林!」
「ちーっす、助けに来ちゃったー」
朝桐くんだけじゃない、日野くんも和久井くんもいる。
どうして……。
「なぜあんなガキがここに…………うぐっ!?」
「わっ!」
私を拘束していた男の呻き声と共に、大きく身体が傾ぐ。
「……っと。無事だね」
「…………若葉、くん?」
陽だまり笑みにグッと覗き込まれ、彼の腕に支えられているのだと理解。
身を起こすより先に、微笑みをたたえていた瞳……薄暗い部屋に煌々と輝く琥珀のそれが、鋭く細められる。