「……セラさんは無関係のはずだ。解放しろ。お前の恨みは私がすべて引き受ける」


「やーなこったね。誰がお前の言うことなんざ聞くか」


「城ヶ崎!!」


「そうだなぁ……女をただ始末するのはつまらない。たっぷり遊んだ後、すぐに後を追わせてやるよ」



 人を見下しきったその笑みといったら……悪魔そのものだ。



「……ダメッ! やめて!!」



 男からは逃れられない。


 そうとわかっていたから、私は懇願した。


 もう誰も、傷つけないでと。



「無駄だ。見ていろ」



 その願いすら一瞬で粉々になり、男たちが動き出す。


 1歩……また1歩と、悪魔の足音が八神さんへ。郁人くんへ。



「やれっ!!」



 号令と共に私は目をつむった。