「隼斗……くん? どうして……」


「一足遅かったな八神? 隼斗はもう抜け殻だよ」


「何だとっ!?」


「あんまりにも親不孝なヤツでね、俺の邪魔をするんでお仕置きをさゆりに頼んだんだ」


「さゆり? 誰だそれは!」


「俺の新しい妻さ。相変わらず怖い女だ。もうすっからかんだ! はははははっ!」



 ……そんな、さゆりさんが?



 ウソだと思いたくとも、城ヶ崎は俯いたままで、顔色は蒼白で。



「しっかりして城ヶ崎! 城ヶ――」



 いや、違う。違うんだ。


 そうじゃない。彼の名前は。



「郁人くんも八神さんもいるよ! 独りじゃない! もう大丈夫だからしっかりしてよ! お願いだから、ねぇっ……隼斗っ!!」


「チッ……やかましい女だな。静かにしろ」



 隼斗が男の1人に羽交い絞めにされる。


 そうされてもなお、彼は身動きひとつしない。