「悪いんですけど、黙っといてくれます? 警察に話されると困るんですわ。仕事に差し支えますんでねぇ」
「……暴力団の者だな」
「そんな仰々しいモンじゃないですけどねぇ。城ヶ崎サンとこの病院が患者不足で困っておる言うんで、ワタシらが提供してやっとるんですよ。
ワタシらとしては鬱憤のええ発散になるし、金は入るし、城ヶ崎サンとこの病院も儲かって、一石三鳥やないですか。
わかったらお帰りくださいます? ワタシもあんまり怪我人出したくないんですわ。死なんように手加減するの、意外と骨が折れるんで」
「どこまで人の命を弄べば気が済むんだ! ふざけるな! すぐにこの家から出て行けっ!」
「あらら、交渉決裂……っちゅーことでいいんですね。んなら、こっちはこっちの対応を。……オイ」
合図と同時に、男たちがぞろぞろと部屋の中に入ってきた。
ザッと見て10人。
彼らを前に怯むことなく、身構える八神さん。