「やはりお前が暴行事件の黒幕か。城ヶ崎宗雄……!」


「家の前には俺の回し者がいたはずだが……ふ、薬でも使ったか。まったく、家族のこととなると鬼のような男だ。

 ――だからお前だけは油断ならないってな!」


「ひゃっ……!」


「セラさんっ!?」



 畳に叩きつけられる寸前、今度は八神さんが抱き留めてくれた。



「ありがとうございます……でもっ」



 私だけを突き飛ばした宗雄さんが、郁人くんを後ろ手に拘束。


 そのまま奥に引っ込んだと同時に、今まで傍観していた男が進み出る。



「ワタシの出番みたいですなぁ」



 男は無精ひげをたくわえた顎をさすりながら、ニヤニヤと八神さんを品定めする。