「なぜ会った。言っただろう。あの男はろくでもないヤツだと」


「と、友達が怪我して、入院した先がタダ先生のとこだったんだ!

 俺も一緒にいたから付き添わないわけにはいかなくて、それで…………それで、全部聞いた。親父と、おふくろと、タダ先生のこと」


「お前!」


「でも親父っ! 悪いのは先生だって……親父は俺たちのこと考えてくれてたってわかったから!」


「郁人くん!」



 絶対ウソだ。


 だって郁人くん、すごく苦しそう……。


 八神さんを簡単に嫌いになれるわけないのに、早くこの問題を解決しようと無理してる。


 それは駄目だよ、郁人くん……!