「よく辛抱したな」


「……え」


「もう潮は満ちた。……一緒に住もう」


「……ちょっと待てよ親父! まだ暴行事件の犯人は捕まってない! 兄貴は疑いをかけられたままなんだろ? そんな大変な時期に……」


「……はて、どうした郁人? 前に来たときは、隼斗のことをあまりよく思っていなかったはずだが……」


「それはタダ先生にっ……!」


「八神? なぜそこで八神が出てくる。もう会うなと言ったはずだが……まさか」



 宗雄さんの表情が険しくなり、郁人くんが俯く。