「お前っ、いい加減にしないと本気で殺るぞ!」


「それはやだ殺られたくない! でもつれてってー!」


「ふざけるな! こっちは遊びで行くんじゃないんだ!」


「ふっ、ふざけてなんかない! 俺たちは城ヶ崎が心配で心配で、とにかく死にそうなんだ――――っ!」



 まるで愚図る子供。


 だが思わず怯んでしまった隙に、それまで黙り込んでいた和久井たちが1歩踏み出る。



「朝桐は馬鹿だが、それは本当だ。俺たちも同じ思いだ」


「友達が長いこと顔出してないの。俺らにだって心配する権利はあんだろ?」



 彼らは事の重大さをわかっていない。


 わかっていないけれど……友を思うその瞳は、本物だ。



「……わかった。ついて来るといい」


「へぇそうですか、どうせ駄目なんですね……ってんんんっ!? ウソッ、マジ!?」


「ただし条件がある。来るときは、竹刀と、捨て身の覚悟を忘れるな」


「――へ?」