……そうか、これが本性か。
「……テメェ、ふざけやがって……!」
「きゃっ、怖―い!」
「待ちやが……!」
「――隼斗」
ヒラリと化け猫が逃げ出したのと同時に、入ってくる男がある。
……猫の次は狸かよ。
こいつもグル。……いや、こいつが親玉か。
ふつふつと煮えたぎる怒りのまま、目前にそびえ立つ男を睨む。
だがヤツは意にも介さない。
「お客様がいらっしゃった。ご挨拶しろ」
「――っ!!」
部屋を飛び出す。
縁側を駆け抜ける。
途中ある部屋には、祖父母がいた。
いつものように、怯えた表情をして。
「お忙しいところすんませんな。お邪魔させてもらいますわ」
案の定、客間にはあの男共が座布団に鎮座していた。