八神医院で郁人くんに知らされたことは、衝撃的なことだった。



「……彼が、昨日の?」



 ロビーの隣にある、待ち合いスペースを兼ねた廊下の椅子。


 郁人くんはそこに座って、俯いたまま頷く。



「そうだね。彼で間違いないよ」



 若葉くんも同意した。


 ならば、揺るがぬ事実なのだろう。



「堀川がセラを襲ったなんて……俺のせいって、何だよ」



 郁人くんのクラスメイトが、事件に関わっていた。


 解決どころか、さらに謎を深める要素ばかりが横行する。


 私も、混乱してくるよ。


 でもこういうときだからこそ、しっかりしなきゃ。