「そ、それってつまり、この間のボヤ事件、実は土屋先生の実験が原因で、それを私のせいだって勘違いした寺元先生が問いただしに来たってことですか?」


「ご名答」



 ……何てこと。



「まったく……単なる研究者上がりなのに、主治医だなんて大げさな」


「似たようなもんだろ。ただでさえ医者嫌いのクセにそんな我儘言える立場か。お前の体質はやすやすと一般人に知られていいものではない」



 ――耳を疑った。

 土屋先生は今、「体質」と言ったか。