……ウソだ、そんな。


 
「堀川、何で!」


「お前のせいだ! ぽっと出の庶民のクセに出しゃばりやがって! お前のせいで、俺は父さんに…………」



 ――ガツッ、と重たい音。


 堀川は驚愕で固まったまま、ドサリ、と崩れ落ちる。



「クソうるせぇガキが。余計なことまでしゃべりやがって」



 我に返る。


 見たことのない男が、自分をまじまじと覗き込んでいた。



「お前、何者だ……!」


「このガキの知り合いのようだが……坊主こそ、コイツに何の用だ?」



 唇を噛み締める。


 拳が震えている。


 コイツが誰かなんて、薄々わかっていた。