間違いない、あれは堀川だ。


 呻き声を上げ、うずくまっている。



 俺は飛び出した。


 緩い坂をつくった芝を下って、全速力で駆け寄る。



 近づくにつれ、夕暮れに鈍く光るものがあらわになる。あれは…………血?



 ――頭の中が、真っ白になった。



「おいっ、堀川!!」



 俺の呼びかけに、小さく反応する堀川。


 苦しみに歪んだ表情が、やがて憤怒へと変貌する。



「来るんじゃねぇ! お前なんかに助けてもらいたくない!」


「何を……それにお前、さっき金髪の女がどうって……」


「ああそうだよ! 俺がやったよ! お前んとこの女を襲ったのは俺だよ!」