「気をつけようと思ってはいたんですがね……それで、ちょうど危ないときにある青年が現れたんです。

 動けなかったんですけど、意識はありましたからはっきり覚えてます。光涼の生徒さんです。

 彼は最初、後は自分がやるからと言って暴行していた人たちを立ち去らせたんですが、倒れた僕を見るなり、救急車を呼んで、肩を貸してくれましてね。

『知り合いの腕のいい医師に連絡したから、もう少し頑張れ』って励ましてくれたんですよ」



 八神さんの知り合いって……!



「あのすみません! その人って、制服のネクタイの色、何色でした!?」


「ネクタイ……確か、青……だったかな。そういえば、光涼高校は学年ごとに色が違うんでしたよね。君たちと同じ学年の人ですか」