「またこの人が迷惑をかけたみたい。ごめん」


「え?」


「どうも昔からやりすぎてしまう傾向があって。悪気はないんだろうけど……」


「そうだ、悪気などあるものか。お前の主治医として、現状改善の努力を続けた結果の出来事だ」


「開き直らない! 雅宏さんが爆発なんて騒ぎを起こすから、彼女が変に疑われたじゃないか!」


「まぁ、紅林には気の毒なことをしたと思うが」


「あの……?」


「寺元先生のことだ。どうやら俺の行動がいらん誤解を招いたらしい」


「……ちょっと待ってください!」



 必死になって状況を理解しようとしたが、その先にある事実も実に吹っ飛んだものだった。