呼び留めても、背中はどんどん遠ざかるだけ。 彼は聞く耳を持たず、結局1人で行ってしまった。 「どうも変だね、郁人くん」 「うん……昨日は別に変わった様子はなかったって、都おばさんは言ってたんだけどなぁ……」 そうは言っても、置き去りにされたという事実は確かに残っている。 途方に暮れて見上げた青空。 どこか、白けているような気がしてならなかった――……